今日は生徒さんと腕の使い方を考えるにあたり、雑巾絞りからアプローチしてみました。

まずは生徒さんにタオルを渡して聞きました。

「濡れてると仮定して、どう絞るかやってみてもらえますか?」

するとやはり私が子供の頃やってたように、横向きのタオルを順手で掴んで前後にひねるやり方でした。筋肉隆々の男性であればどんなやり方でも絞れると思いますが、普通の腕力ではちょっと大変。うまく水が切れなくて床に水滴が大量に残ってしまうかもしれません。

-ではどう絞るのか?-

縦向きのタオルを両手の手のひらに乗せるように置き、ゴルフクラブを握るかのように両手首を内側に旋回させていきます。
これが昔から言われている「正しい」雑巾の絞り方ですが、「正しい」の意味はともかく、この雑巾の絞り方と身体の使い方との関係を考えてみるといかに合理的かが見えてきます。

-骨の仕組み-

肘から手首までは、橈骨(とうこつ)と尺骨(しゃっこつ)という日本の骨で構成されています。この二本の骨が平衡状態から交差した状態に動くことによって、手は手のひらや手の甲と自由自在に回転させることができるのです。

ではこの二本の骨はどう動いているのでしょうか?

橈骨と尺骨は、手のひらが上を向いているときに平行に並びます。
いわゆる逆上がりをするときの鉄棒のつかみ方、これは手のひらを自分に向くようにつかみ、橈骨と尺骨は平行な状態となります。

しかしながらパソコンでのキーボード入力、包丁でお肉を切るときなど日常何気ない動作で起こる手の甲を上に向けた状態においては、橈骨と尺骨を交差させているのです。

ではここで、もう一度雑巾絞りに戻ります。
縦向きのタオルを両手の手のひらに乗せ握り、両手首を内側に回転させる方法は、上記の橈骨と尺骨の自然な交差する動きを利用していることになります。人間の身体の構造に則したとても自然な無理のない腕の動きを行うことで、十分に雑巾に負荷をかけ絞り上げることができるのです。

日本人は決して筋肉隆々という訳ではないですが、だからこそ自然と理にかなった身体の使い方を身に着けていっているのかもしれませんね。