道に迷った時に、自分をどう使うのか?

アレクサンダーテクニークはゆっくりと自分自身の事を学んでいくもの。
私たちは「re-education(再教育)」と言っていますが、自分の心の反応、身体の反応を知り止めていくことで新しい使い方を学ぶ。そのため時間がかかり自分の成長にもなかなか気づきにくい事でしょう。

でもレッスンを受けた生徒のみなさんは、ゆっくりとでも確実に変化が起きています。その変化は自分自身では気づきにくく、時にその変化は周囲の友人知人のほうが実感されることも多いです。
そんななか、先日のレッスンで一人の生徒さんからこのような話がありました。

「昔からとても道に迷いやすいのです。新しい場所・知らない場所に行く事はとても苦手。そして道に迷ったときにはほぼ100%パニックを起こしていました。でも先日、道に迷ったときに頭と首の事を考えてみたところ自分がなぜか首を右に左にと忙しく振っていることに気づいたのでそれを止めてみました。そうしたら、道に迷っていたのに落ち着いて対処することが出来、パニックにならずに目的地に到着することが出来ました!」

思い起こせば、この生徒さんが私のスタジオに初めてお越しいただく際もパニック状態だったことを記憶しています。途中で道を確認するために電話がかかってきましたが、「道がわからない!」「早く到着しなければ!」と心が焦っているのでしょう、こちらの言葉がなかなか耳に届かないようで何度も聞き返されていました。
生徒さんご自身も自分のパニックなる習慣に振り回されているようでした。

-道に迷うといつもパニックになる-

この生徒さんにとっては「道に迷う」=「パニック」が習慣となっていたのではないでしょうか。
そしてパニックという心の反応が起きているときには、頭を忙しく振るという身体の反応が習慣化していた。

ここからはもうニワトリが先か卵が先か?とでもいうように、パニックという心の反応がが頭を振らせ、頭を振る習慣がパニックをさらに煽って、という負のスパイラルへ。
そうなると、失敗体験の積み重ね学習(負の学習の積み重ね)で、知らない土地に行くこと=パニックになることを自分で習慣化してしまう可能性があります。
パニックが習慣化してしまうと例え順調に歩いていても、「いや、こんなに順調に進むはずがない。これで本当にあっているのか?」と疑心暗鬼になってパニックに陥るように自分の心を誘導する癖がついてしまうときもあります。

今回この生徒さんはご自身の長年のパニックに対し、「頭と首の事を考える」事でパニックに陥らない新しい自分を発見されました。
そしてこれからも沢山の気づきを通じて生徒さんが楽しく学習していってくださることでしょう、楽しみです。

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