バイオリンを再開するにあたって-1
バイオリンを再び練習しようか、と考えた際、最初に思ったこと。
「身体を傷めない練習をしよう!」
いきなりレッスンを再開しても良かったかも、あるいはその方が上達が早かったかも?とも思いましたが、自分のハビチュアルパターン(習慣)は、曲を早く弾けるようになりたい!と思うがあまり、自分の身体をおろそかにしてしまうこと。
なのでレッスンに行く前に自分で自分の身体を考えてみました。
左手で指板を押さえる前に動きを考える
大人のバイオリン初心者には難関がいくつもあります。
そのうちの一つは左手の形。
バイオリンの指板を押さえるために手を不思議な方向に曲げるんですよね。
久々にバイオリンを弾いてみましたが、その時に起きていたことは…。
・左手の小指側から手のひらが開いてネックから離れていってしまう。
→小指が楽器から離れるので4の指が届ず、腕や腰を曲げてしまう。
・左手を曲げようとするあまり左肩が下がってしまう。
→肩が下がると楽器も下がるので、首から背中まで曲がっていく。
なのでまずは、左手の動きを考えてみました。
親指の動きを確認する
指の付け根ってどこだろう?
ピアノやバイオリンを弾くとき、ついつい手のひらと指が繋がっているところから一生懸命広げようと頑張ってしまうのですが、指の骨は手首から手のひらの中を通って指先に広がっているんですよね。
中でも親指は他の4つの指とは異なる動きをします。
もし親指が他の指と同じ動きしかできなかったら?私達は包丁を握ることもリンゴをつかむことも難しい作業になるかもしれません。
そんな異なる動きをする親指はバイオリン演奏においても重要な役目を果たします。
特に左の場合4本の指は楽譜に合わせて素早くG線からE線、1ポジからずっと上のほうまでバラバラに動いていくのですが、この時左手の親指は何をしているのでしょう?
一つは楽器、特にネック部分を下から支える役目だと思います。
親指が無いと、上から4本の指で弦を押さえているうちにネックが下がってきてしまいますよね。
でももう一つ大事なのは、4本の指が独立して力まず動かせるようにする為の縁の下の力持ち的役割があると思います。
指が思うように回らない、楽器が安定しない、等の悩みを抱えている方、一度左手の親指が脱力して自由にいるかどうか、チェックしてみてはいかがでしょうか?
親指が独立して動くとは?
親指が独立して動くとはどういうことでしょうか?
これは私の場合ですが、親指は二重関節(ダブルジョイント)で普通の人よりも反り返ったり曲がったりしてしまいます。
この写真は何も考えずに親指だけを動かした場合の写真です。
私の場合特に、無意識で親指を動かすと、親指の第一関節はそっくり返り、第二関節は飛び出てしまいます。そして残りの4本の指も反り気味になっていることが写真からお分かりいただけるでしょうか?
そのため、とてもとてもゆっくりとした動作から自分の親指を曲げるという観察を始めました。
意識し始めて5日後が次の写真です。
まだ第二関節が飛び出ていますね。
ここから、第二関節から動かすのではなく、手首の付け根から動かせるかどうか?を観察していきます。
気づくことは、やはり動かすことにあまりに夢中になりすぎると自分の頭-首-背中を失ってしまうこと。
なので何度でもゆっくりと、自分自身の頭と背中の関係を考えながら親指を動かすときに自分がどういう動きをしているのかを繰り返していきます。
〇自分が親指を中へ動かそうとすると、または早く動かそうとするとどうしても親指が曲がって動いてしまうこと。
なので今度は、自分の親指の先を頭、親指の指の部分を背骨に見立て、上に上にと方向性を与えながら動かしていってみました。
この練習をしてから10日後の写真です。
まだ小指などに緊張があるものの、手全体がソフトな印象に変わってきたように思うのですが、いかがでしょうか?
バイオリンを構えるってほんとに難しいし、構えれば音楽をカッコよく弾きたくなる!その欲求を抱えながら地味な作業を辛いと感じるか、つまらないと感じるか、楽しいと感じるか。ぜひ一度試してみてください。